食べこぼしに毎回『キーッ!』となってしまう…。
という悩みに、約200人もの赤ちゃんの食事指導に関わってきた歯科衛生士がお答えします^^

食べこぼしが多い年齢はいえ、
毎回汚れた服や床を掃除するって、かなりストレスですよね…。
もし口から食べ物が溢れたり、出てしまうなら、
その原因は口や舌を上手につかえていないからかもしれません。
特に、『口から食べ物が出る』子は、
- 口を閉じることが苦手
- 飲み込むとき舌が『前』に出てる
可能性が高いです。

でも食べこぼしは、
練習次第で必ず改善します^^
この記事では、
・食べこぼしが多くなる原因と予防方法
について、ベテラン歯科衛生士が紹介していきます!

5つの対策法を紹介するので、ぜひ参考になさってください^^
赤ちゃん子供の食べこぼしにイライラ!食べ方が汚い子の共通点
食べこぼしが多い子には、共通点があります。
それは『口の使い方が下手』ということ。
きれいに飲み込むには、
・舌が上あごについている
ことが大切です。
突然ですがあなたは、『口の中にたくさんたまった唾液』を、
口を開けたままこぼざず飲み込めますか?

口が開いたままだと、飲み込む瞬間
唾液がこぼれてしまいますよね^^;
「何か」を飲み込むには、必ず「口を閉じる」必要があります。
でも食べこぼしの多い子は、「口を閉じる」て飲み込むことができません。
その結果、口からこぼれてしまうんです。

今度は、口を閉じたまま
唾液を飲み込んでみましょう^^

このときあなたの『舌先』は、上あごについたまま
唾液をゴックン!と飲み込んだはず^^
じょうずに飲み込むためには、『舌の動き』も重要なんです^^
きれいに飲み込むには、舌が『上あご』についた状態で、
食べ物を喉にゴックン!と送り込まなければいけません。

でも食べこぼしの多い子は、
舌を上あごにつけたまま飲み込むことができません…。
その代わり、食べ物を飲み込もうとすると、
舌が『前』に出てしまうんです^^;
だから喉に流れるはずの食べ物が舌で押し出され、こぼれていたんです。
まとめると、『食べこぼしの多い子』は、
・食べるときに口を閉じていない
・飲み込むときに舌が前に出てる
という2つの理由から、こぼしたり汚い食べ方になっていたんです。
とはいえ、
「でも大人になったら、綺麗に食べられるようになるはず…」
など『そのうち勝手に直っていくだろう…』と思いますよね。

あまいです。
なぜなら『口の使い方』も体と同じように、トレーニングしないと
うまく筋肉がつかえないし、じょうずに動かせないからです。
とくに、食べこぼしが多い場合は早めに対策しておかないと、
- 外食をするとき
- 大人になってから
その子自身が恥ずかしい思いをしてしまいます。

だから早めに、
・舌をうまくつかえる子
にする必要があるんですよ^^
スプーンでじょうずに食べられない子
補足ですが、食べこぼしの多い子の中には、
スプーンで上手にご飯やスープが食べられない子も多いです。
スプーンで食べるには、唇と舌をつかい
食べ物を口の中に入れなければいけません。

でも『食べこぼしの多い子』は、
唇や舌を上手に動かすことができません。
唇や舌をうまくつかえないから、食べ物の方を喉の奥に持っていき、
スプーンごと飲み込むようにしか食べられないんです。

しかも、飲み込むときに舌が『前』に出てしまうので、
スプーンの中のものさえ、こぼしてしまうんです。
「食べ方が汚い子」は、舌や口の周りの筋肉がうまくつかえていません。
そのせいで口を閉じて飲み込めないし、舌で喉の奥に食べ物を送り込むのが下手になっていたのです。
食べこぼし・食べ方が汚い子供になる2つの原因
- 食べこぼしが多い子
- スプーンに顔を近づけて食べる子
になる原因は、唇や舌をつかう練習をほとんどしてこなかったから。
大きな原因として、
①「吸って飲む哺乳瓶」をつかっていた
②柔らかい離乳食ばかり食べている
の2つが考えられます。
「吸って飲む哺乳瓶」をつかっていた
実は、
- 母乳で育った
- 「吸って飲む哺乳瓶」で育った
子では、口の動かし方に明らかな「差」が生まれます。
母乳で育って赤ちゃんは、
- 口の周りの筋肉
- 舌
を鍛えることができるため、自然に口が閉じられる子になります^^
さらに母乳を飲んでいると、舌を上あごにつける習慣が自然に身に付きます。

この動画の55秒からの『舌の動き』を見てください^^
赤ちゃんは『舌先』を上あごにつけ、搾り出すように母乳を飲んでいますよね。
この『搾り出す飲み方』のおかげで、赤ちゃんは自然と「舌を上あごにつける動き」を覚え
食べ物をスムーズに飲み込めるようになるんですよ。
一方、哺乳瓶でそだった赤ちゃんの中には、
乳首の真ん中に『ポツン』と穴があいた哺乳瓶をつかっている子がいます。
このタイプの哺乳瓶は『口先』だけ動かせばミルクを飲めるので、
口の周りの筋肉を十分動かせません。

たとえるなら『ストロー飲み』をしている状態。
ストロー飲みって、舌が歯の裏側についたまま、波打つように『前後』に舌が動きますよね。

この舌の動きがマズイんです…。
本来舌は、「上下の動き」しかしないはず。

舌が前後に動くのは、英語の発音のときくらいです。
でも、「吸って飲む哺乳瓶」をつかっていると、赤ちゃんは舌の『前後の動き』を覚えてしまいます。
その結果、飲み込むとき舌が『前』に出てしまい、
- 食べこぼしが多い
- 大きいものを上手に飲み込めない
子になってしまうんですよ。
ぜひ哺乳瓶で育てるなら『ビーンスターク』のような
「母乳に近い飲み方」ができるタイプを選ぶようにしましょう^^
▼詳しい哺乳瓶の選び方は、こちら▼


とはいえ、今から哺乳瓶の種類を変えることは現実的ではありません。
解決法はあとで紹介しますね^^
ちなみにストロー飲みを習慣にすることも、舌の間違った使い方を覚えてしまいます。

2歳頃までは、ストロー飲みをさせないほうがおすすめです^^
\理由はこちら/

柔らかい離乳食ばかり食べている
柔らかい離乳食ばかり食べている子も、口の動かし方が下手になってしまいます。
離乳食って
- 裏ごしする
- みじん切りにする
など、食べやすく作りますよね^^;

でもその優しさが、口や舌を動かすチャンスを奪ってたんです(汗)
とはいえ、

でも、柔らかくつくらないと飲み込めないんじゃ?
と思いますよね。
でも生後7ヶ月以上で
・お座りが安定している
・手が自由につかえる
赤ちゃんなら、歯がなくても『舌』や『歯ぐき』で、たいていのものは食べることができるんですよ^^
\詳しい理由はこちら/

たとえ前歯しかなくても、
- 食べ物を噛みちぎる
- 歯ぐきで食べ物をすり潰す
ような動きを経験することは、口の周りの筋肉や舌を鍛えることにつながります!
その結果、自然に口を閉じて食べられる子になり、
食べこぼしを予防できるんですよ♪

本能で知っている『おっぱいの飲み方』とは違い、
『食べること』は経験から学んでいきます。
『柔らかい離乳食』では、いつまでたっても口や舌がうまく動かせず、
汚い食べ方が直りません…。
口の運動は、『噛む』ことでしか経験できません。
だからこそ離乳食の段階から、よく噛む食事をつくってほしいんです^^
▼柔らかい離乳食のデメリットはこちら▼

赤ちゃん・子供の食べこぼし5つの対策!
食べこぼしが多い子は、口や舌の使い方が下手です。
だからこそ、
②口に入れる量を考える
③離乳食はつくらない
④汚れそうなものは持たせない
⑤食べる時の姿勢に気をつける
の5つを意識しましょう!
口を閉じて噛ませる
きれいに食べるには、口を閉じておく必要があります。
でも食べこぼしの多い子は、普段から口がポカンと開いています。
食事中も口が開いたままになっているので、食べこぼしが多くなるんです。

とくに食べるとき「くちゃくちゃ」音がしてる子は、
ほぼ100%、口が開いたまま食べています。
普段から口が開いていたり、「口呼吸」が癖になっているときは、下の記事を参考に口を閉じる練習をしましょう!

口に入れる量を考える
一口の量が多いと、口を閉じて噛んだり飲み込むことができず、
食べこぼしの原因になります。

一口が多いときは量を調整しましょう。
逆に野菜などは、わざと
- ステック状にする
- 大きく切る
ようにしてみてください。
そのままでは飲み込めないので、自然に前歯で噛みちぎって食べるようになり、
『量』を自分で調整できるようになりますから^^
\丸飲み対策はこちら/

離乳食は作らない

大人の食事を分け与えるスタイルにすること^^
・お座りが安定している
・手が自由につかえる
赤ちゃんなら、歯がなくても『舌』や『歯ぐき』をつかって
たいていのものなら食べることができます^^

だからこそ、大人の食事を『薄味の和食』にして、それを取り分けてほしいんです。
赤ちゃんは嫌でも、前歯で噛みちぎったり奥歯でよく噛むようになります。
「口が閉じられる子」になり、食べ方も綺麗になるんですよ^^
かぼちゃも、飲み込めないサイズに^^

ブロッコリーは茎ごと出しています^^
このサイズなら、丸飲みはできませんよね^^

いろんな硬さや大きさの食材を、
たくさん経験させてあげてほしいんです!
たとえば『お餅』と『コンニャク』を食べているときでは、
口の動かし方が変わります。
お餅を食べるときは、舌でお餅を歯からはがしながら食べています。
一方コンニャクは、舌で歯の上に乗せながら食べているんです^^
いろんな形態や硬さのものを経験させてあげると、それだけ口の動かし方も複雑になり
上手になります^^
その結果、舌や唇の使い方がうまくなり、食べこぼしを防げるんですよ^^
汚れそうなものは持たせない
食べこぼしや食べ方が汚いときは、汚れそうなものを持たせないことも大切です。
とはいえ

でも『手づかみ食べ』って大切なんじゃ?
と思いますよね。
でも、『手づかみ食べ』をさせるなら
・リンゴを4分の1に切ったもの
など、汚れないものを持たせればいいだけ^^
お味噌汁やご飯など『散らかる原因になるもの』は、スプーンやお箸で口の中に入れてあげればいいんです^^
それ以外の感触のものは、
- 粘土
- 砂場
など、遊びの中でたくさん触らせてあげればいいだけのこと^^
うまく食べられるまでは、汚れないものだけ持たせて、いっぱいガジガジさせてあげましょう^^
\安心して手に持たせて食べさせられる野菜の選び方はこちら!/

食べる時の姿勢に気をつける
綺麗に食べるためには、姿勢も大切です。

赤ちゃんは食事中、足がしっかり床についていますか?
足が床についてなく宙ぶらりんな状態では、姿勢も悪くなって食べ方も汚くなってしまいます。
姿勢が悪くなっているときは、下の記事を参考に椅子の選び方を見直しましょう^^

赤ちゃん子供の食べこぼしにイライラ!原因と対処方法まとめ
食べこぼしが多い子の共通点は、口や舌を上手く動かせないから。
綺麗に食べるためには、口を閉じることはもちろん、舌や口の周りの筋肉をしっかり動かさなくてはいけません。

口の筋肉も、練習しないとうまくつかえるようにならないんです。
対策方法は
②口に入れる量を考える
③離乳食はつくらない
④汚れそうなものは持たせない
⑤食べる時の姿勢に気をつける
の5つ。

成長すれば、勝手に綺麗な食べ方になるわけじゃないんです。
でも今から意識すれば、口を閉じられるようになるし、口のつかい方も上手になっていきます♪

きれいに食べられる子になるよう、できることから改善してみましょう^^
\安心して手に持たせて食べさせられる野菜の選び方はこちら!/
