歯がないうちは、カミカミ期に進めないよね?
という疑問に、約200人の赤ちゃんの食事指導に関わってきた歯科衛生士がお答えします^^
まだ歯が生えてない赤ちゃんの離乳食って、
『カミカミ期の硬さは早いよね…』
『モグモグ期みたいに、舌で潰せる硬さのほうがいいよね…』
など、不安や疑問だらけですよね…。
でも結論から言えば『歯の本数』で『離乳食の硬さ』を悩む必要はありません^^
なぜなら赤ちゃんはまだ歯が生えそろっていなくても、
- 歯ぐき
- 舌
をつかえば、大抵のものを食べることができるからです^^
ここでは、『歯が生えてないときの離乳食の形態』について、
ベテラン歯科衛生士が紹介していきます^^

とくに「歯がないとカミカミ期にいけない…」と思っていたあなたは、
じっくり読んでみて下さいね^^
離乳食は歯が生えてから?歯の本数は関係ない理由
歯が生えそろってないと、
「前歯で噛み切れないし…」
「奥歯で噛めないし…」
と、カミカミ期に移行していいか悩みますよね…。
でもね。
赤ちゃんは歯がなくても、舌や歯ぐきをつかって工夫して食べることができます^^

なぜそう言い切れるのか。
その理由は、食べ物をじょうずに噛めるかどうかは、歯の本数より、
『あご』や『舌』の動かし方が重要だからです^^
とくにあなたの赤ちゃんが母乳をしっかり飲んで、生後7ヶ月以上なら、
もうすでに食べ物を「噛む」→「飲み込む」という口の動きができています^^

だから大抵のものなら、食べることができるんですよ^^
離乳食をうまく食べられるかは「歯の本数」より、母乳やミルクをしっかり飲んだかの方が、
大きな要因になっています。
だからこそ『歯の本数』だけ見て、カミカミ期にすべきか悩むのは、もったいないことなんですよ^^
歯がなくても食べられる理由①
母乳をしっかり飲んだ赤ちゃんは、『食べ物を噛む口の動き』ができるようになっています^^
その理由は、『母乳を飲むときの舌の動き』を見てみると分かります^^

実は赤ちゃんって、おっぱいをチュウチュウ『吸って』
飲んでいるわけじゃないんです。
赤ちゃんはママの乳首をくわえたら、舌を上あごに押しつけて圧を加え、
『口の周り』や『舌』をつかって「搾り出す」ように飲んでいます。

この動画の55秒からの『舌の動き』を見てください^^
赤ちゃんは『舌先』を上あごにつけ、搾り出すように母乳を飲んでいますよね。
この『搾り出す飲み方』のおかげで、赤ちゃんは自然と「舌を上あごにつける動き」を覚えていき
食べ物をスムーズに飲み込めるようになるんですよ。

あなたも「唾液」を飲み込んでみましょう!
上あごに舌をつけたまま、ゴックン!と唾液を飲み込みましたよね^^
このように『舌が上あごに付いている』ことで、食べ物をスムーズに喉に送ることができるんです^^
つぎに、赤ちゃんが母乳を飲むときの『下あごの動き』を見てください。

あごがリズムよく、上下に動いていますよね!
この『あごの動き』は、食べ物を『噛むとき』の基本となる動きです。
つまり母乳をしっかり飲んだ子は、離乳食が始まる前からすでに
「噛む」→「飲み込む」という口の動きを練習できているということ^^
だから歯が生えそってなくても、歯ぐきや舌をつかって、潰したり噛むことができるんですよ^^
歯がなくても食べられる理由②
とはいえ、

でもやっぱり歯がないと、上手に噛めない気がする…。
と、こんな疑問があると思います。

でもね。
歯はあくまでも道具です。
歯には『筋肉』がついていません^^
歯を動かしているのは、『口の周りの筋肉』です。
だから口の周りの筋肉をうまく動かせないと、
いくら立派な歯が生えていても、上手に噛み切ったりすり潰すことができないんですよ…。

想像してみましょう。
せっかく「切れ味バツグンの包丁」があっても、『料理経験ゼロ』の人が、その包丁をつかったとしたら…。
身体に力も入りすぎて、うまくつかえませんよね…。
でも料理人の方なら、少々切れ味が悪い包丁でも、身体の力を抜いたまま「トントントン〜!」と
軽やかに包丁をつかいこなしていると思いませんか?

この違いは、筋肉のつかい方にあります!
道具がいくら立派でも、その道具をつかいこなせる筋肉の動きを習得してないと、
うまく食材を切ることができません…。

これは『歯』も同じこと^^
いくら立派な歯があっても、口の周りの筋肉を上手に動かせないと、うまく噛むことができないんです…。
ちょっと話はズレますが、わたしが診てきた患者さんの中には、『生まれながらに歯のない赤ちゃん』もいたんです。

お母さんも、『この子は、ずっとペースト状の食事になるだろう…』と心配されてました。
でもね。
この赤ちゃん、1歳前には『親と同じ食事』を食べられるようになったんです^^
しっかり母乳を飲んだ赤ちゃんなら、歯がなくても、母乳を飲むときように、『舌』を上あごに押しつけて食べようとします。
そして成長とともに『歯ぐき』で上手に食べるようになって、歯が生えてくると噛んで食べるようになるんですよ^^
だから歯がまだ生えそろってない時期から、いろいろな食感や大きさの食べ物をあげることは、
赤ちゃんにとっても大切な経験になります。
歯がなくても赤ちゃんなりに、
- なめたり
- しゃぶったり
- 歯ぐきを使って潰そうとしたり
と、口に入ったものを「何とか飲み込める形にしてやろう!」と工夫できるからです^^
逆に言えば、「何とか食べてやろう…!」とする工夫期間があるからこそ、
歯が生えてきたときに、歯をつかって噛めるようになるんです^^
ちなみにミルクで育てる場合は、『母乳の飲み方に近い口の動かし方』ができるビーンスタークの哺乳瓶を選びましょう。
ビーンスタークの哺乳瓶は、乳首に「弁」がついているので、吸うだけでは飲めない構造になっていますから^^
\哺乳瓶の選び方はこちら!/

歯が生えてなくてもモグモグ期・カミカミ期の離乳食で大丈夫
発達には適正な時期があります。

『食べること』は経験しながら覚えていきます。
・手が自由に動く
・おっぱい(ミルク)をしっかり飲んでいる
赤ちゃんなら、たとえ歯がなくても、どんどん歯ぐきで噛む練習をさせてほしいんです。
口の運動は、『噛むこと』でしかできません。
だから
- 裏ごししたもの
- ベビーフード
のような柔らかい離乳食では、せっかくの練習期間に『噛む練習』ができないんです…。
おすすめは、離乳食は作らず、大人の食事で食べられそうなものを赤ちゃんにも『取り分ける』こと。

理想のメニューは、昔ながら和食!
たとえば、
・大きめに切った野菜の煮物
・大きく切ったキュウリや、手で「バサ」ッとちぎったレタスのサラダ
・白米を少し固めに炊く
などは、決して硬くないけどすぐには飲み込めませんよね。

それを赤ちゃんにも『取り分ける』んです^^
この時期の赤ちゃんって、母乳やミルクから栄養を摂っていますよね。
だからね。

出した食事を完食できなくても、問題ないんです^^
大切なことは、いろんな
- 硬さ
- 大きさ
のものを経験させること。

なぜなら、食べ物の種類によって口の動かし方って変わるからです。
豆腐なら、舌で潰せば食べられますよね。
一方、人参の煮物は、舌で歯ぐきの上にのせ、モゴモゴしないと食べられません^^
このように、いろんな食材を経験することで、『噛む⇒飲み込む』ときの口の動かし方を学んでいくんですよ^^
その経験ができるのが、家庭の食事。
とくに和食は日本人の体質にも合っていますし、赤ちゃんにとっても消化・吸収しやすいメニューなのでおすすめです^^
ちなみに我が家では、7ヶ月後半には、このくらい↓の野菜の大きさの食事を出していました^^
- 小松菜と人参の煮物
- 蒸しカボチャ
- ササミ
を大きく切って、噛めるように意識していたんです^^

これで、問題なく食べていましたよ^^
もちろん最初はご飯を潰した程度のものを、1日1回から食べさせ、
煮物の野菜やお味噌汁の具など、種類を増やしていきました。
そして体調が良ければ、1日2回食、3回食とゆっくり回数を増やして、
徐々に母乳の量を減らし、大人とサイズに変えていったんです。
ウンチの状態や体調を見ながら、ゆっくり胃や腸を慣らしてあげると、歯がなくても大抵のものは、食べられるようになりますから。
最初は、炭水化物や野菜を中心に取り分け、
脂肪が多い豚肉など動物性タンパク質や、アレルギーの原因になりやすいものは、
与えないようにしましょう^^
\『取り分け離乳食』のより詳しい進め方は、こちら♪/

離乳食は作らない方がうまくいく
とはいえ、

でも、大人と同じ食事って、
赤ちゃんには塩分が多いのでは?
と心配になりますよね…。
たしかに、離乳食は薄味が普通です。
でも、市販のベビーフードを食べみても、薄味を通り越して、味がないものがほとんど…。
野菜が混ざっていても、どれも似たような味になっていますよね…。
赤ちゃんって言葉は話せませんが、大人が食べても『美味しい!』と思うものの方がよく食べてくれます^^
それに塩分の問題は、
- 出汁をつかって旨味を利かせる
- 味の濃い野菜をつかう
ことで、調味料を足さなくても美味しく仕上がります^^

ちなみに我が家では、娘が7ヶ月になった頃から宅配野菜を使っています^^
宅配野菜なら、
- 放射線のこと
- 農薬のこと
- 添加物のこと
など安全性も分かりやすいし、どういった基準で選ばれている野菜か判断しやすいからです。
また野菜の価格が上がったときでも、同じ料金で利用できるなど、メリットも多いんですよ^^

『質のいい野菜』を自宅まで届けてもらえると考えると、値段も高くないですし^^
安全性も高く、産地も特定されている野菜なので、じゃがいもやさつまいもは綺麗に洗って、皮のままふかしたり、
口寂しそうなときは、きゅうりをスティック状に切って、そのままかじらせています^^

野菜そのものの味が引き立つので、お味噌汁や煮物も、少ない調味料で本当に美味しく作れるんです♪
家庭の食事が薄味で美味しいなら、そのまま赤ちゃんの食事としても出せますから、
離乳食をわざわざつくる手間もなくなります!

ふかしたお芋を手に持たせると、面白いほどよく食べてくれますよ^^
なにより野菜が甘いので、余計な調味料を増やす必要がなくなり、自然に料理も薄味になり家族全員の健康食になります^^
バランスのいい食事って、『あれもこれも!』と買いそろえないといけない印象、ありますよね…。
でも昔から日本で食べられてきた
- 野菜のお味噌汁
- 野菜の煮物
など、野菜いっぱいの和食を中心としたメニューにすれば、簡単に栄養のとれる食事になります^^

新鮮で安全な野菜なら、皮ごと食べられるので、ますます噛む回数も増やすことができます^^
けっきょく大人がバランスのとれた食事を食べることが、赤ちゃんのためになる!ということ^^
わたしも娘の歯が生えてないうちから、
- キュウリのステック
- 大きく切ったリンゴ
などを持たせて、舐めたりモゴモゴさせていました^^

そのおかげか、歯が生えてきたらじょうずに
噛みきれるようになっていました^^
\赤ちゃんにも安全・安心!厳選された野菜の選び方はこちら♪/

歯が生えてない赤ちゃんの離乳食まとめ
歯があるから「何でも食べられる子」になるわけじゃないんです…。

だって、歯には筋肉がついていませんよね?
歯を動かしているのは、口の周りの筋肉!
口をうまく動かせないと、せっかく立派な歯があっても、うまく食べることができないのです。
生後7ヶ月目以降で、姿勢がしっかりしているなら、歯の数は関係なく、家庭の食事のなかで
- 煮物を潰す
- ご飯にお味噌汁をかける
ことからスタートしてみましょう^^

そして胃腸の調子が良ければ、どんどん大人と同じサイズを食べさせてあげてください♪
しっかりおっぱいやミルクを飲んだ赤ちゃんは、歯が生えてなくても、歯ぐきや舌をつかって食べられます^^
歯の本数にとらわれず、ぜひ上手に食べられるためにも、たくさん口や舌をつかう経験をさせてあげてくださいね♪

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