だから赤ちゃんも、「舌で潰せるやわらかいもの」しか食べられないよね…。
という疑問に、歯科衛生士歴13年の経験からお答えします。
結論から言うと、歯がなくても、たいていのものは食べられます^^

もちろん入れ歯のおばあちゃんや、まだ歯が生え揃ってない赤ちゃんも、
問題なくご飯を食べることができるんですよ♪
そう!
「歯がない=固形物が食べられない」は嘘^^

もちろん、そこにはきちんと理由があります^^
ここでは、
- 歯がない赤ちゃん
- 歯がないおばあちゃん
が、問題なくご飯を食べられる理由について、
ベテラン歯科衛生士が解説していきます。
歯がなくても食べられる事実を知れば、赤ちゃんの離乳食を作るときも、
裏ごししたり潰す必要もなくなり、育児の負担が一気に減ります♪

ぜひ参考になさってくださいね!
歯がないおばあちゃんがなんでも食べれる理由
歯がなくてもなんでも食べられる理由は、歯は、口の周りの筋肉によって動かされているから^^

歯には『筋肉』がついてないんです^^
つまり、歯を動かしているのは、
- ほっぺた
- あご
- 舌
など、『口の周りの筋肉』なんです^^
歯がないおばちゃんも、昔は歯があったし、噛み切ったり奥歯ですり潰しながら食事をしていましたよね。
つまりおばあちゃんは、歯がなくても『噛む⇒飲み込む』という、『口の筋肉の動かし方』が無意識にできる!ということ^^
だから、歯がなくても、
- 舌
- 歯ぐき
をつかって『噛むこと』ができるし、大抵のものなら食べることができるんですよ^^
入れ歯がなくても食べられる祖母

突然ですが、わたしの祖母は入れ歯です。
ですが、その入れ歯はテーブルの上に置いたまま、ほとんどつかわれていません^^;
ときどき、祖母の家に遊びに行くと
『いらっしゃ〜〜い!』
と元気な声で出迎えてくれるのですが、ニコッと笑う祖母の口元は…歯がない(笑)
『せっかく入れ歯があるのに、使わないの?』
と聞くと、
『邪魔くさくて、外出するときにしか入れないのよ』
という祖母。
そうなんです^^;
祖母は歯がないにも関わらず、食事も特に不自由することなく、何でも食べているのです。
揚げ物が好きな祖母に、天ぷらや唐揚げをお土産で持っていくのですが
『ありがと〜〜!』と嬉しそうに、入れ歯もなく毎回パクパク食べています(笑)
そう。
祖母にとって「入れ歯」は、食事のためではなく外出する時の「身だしなみ」のためのものになっています。
でも、『噛む⇒飲み込む』ときの口の動きをマスターしてるので、歯がなくても問題なく食べているんです^^;
歯が無いおばあちゃんの食事やメニュー
少し話が変わりますが、介護施設で働いている友人から聞いた「施設のおじいちゃんやおばあちゃんの食事の様子」が面白かったのでご紹介します。
施設ではたいてい誤嚥などの観点から、食べやすいように「ペースト状」にしたり「細かく潰された食事」が出るそうです。
しかし、噛まずにすぐに飲み込めるこれらの食事では『食べたい気がしない…』と、不満を言うおじいちゃんやおばあちゃんも多いのだとか…。
しかも噛まなくてもいい食事を食べていると、「口の機能」はすごいスピードで低下してきます…。

たとえばおばあちゃんの筋力が落ちて、「足」が弱ってきたとします。
そこですぐに車椅子の生活にしてしまえば、どんどん筋力が弱くなって
もっと歩けなくなってしまいますよね。
おばあちゃんの足に筋力を取り戻すためには、散歩に出かけるなど足を動かさなくてはいけません。
これは「口」も同じです。

つまり「柔らかいもの」ばかり食べていると、噛んだり飲み込むことが、どんどん下手になってしまうんです…。
口は最初に栄養が入る場所。
その大切な器官が衰えてしまえば、全身の健康にも悪影響を及ぼすことは明らかですよね。
それに、ペースト状の食事では「これは新玉ねぎですよ♪」と言われても、形もない料理では見た目を楽しむこともできません…。
「見た目」は食事の重要な要素です。
だからこそ病気以外の方は、歯がないからとすぐに柔らかくしたりペースト状にせず、「噛む」という行為をもっと大切にしてほしいのです。
歯がなくても、イカやタコ以外は何でも食べられる!
そしてもう1人、友人の働く施設にいた、全部の歯がないおばあちゃんの話が面白かったのでご紹介します。
やはりそのおばあちゃんの入れ歯も、普段から全く使われてない状態でした。
そんなおばあちゃんですが、入れ歯もなしにリンゴを平気で食べていたそうなんです^^

もちろん擦りおろしたリンゴではなく、
わたし達が普段食べる大きさリンゴですよ(笑)
そのおばあちゃん言わく、『イカとタコはさすがに噛み切れないから死ぬかと思ったけど、その他の物なら歯ぐきで何でも食べれるわぃ…』

なんと!パワフルなおばあちゃん(笑)
施設で働く友人言わく、
歯がなくてもみんな何でも食べれるのに(笑)』
と話していました^^
わたしの祖母や施設のおばあちゃんをみても、歯ぐきを使えば、たいていのものは何でも食べられる!と言えますよね^^
赤ちゃんも歯がなくても食べられる理由
歯がなくても問題なく食事ができるのは、赤ちゃんも同じです^^
なぜなら赤ちゃんは、おっぱいを飲むことで『噛む⇒飲み込む』という筋肉の動きをマスターしているから。

この動画の55秒からの『あごの動き』に注目してください^^
おっぱいを飲む赤ちゃんの『あご』が、上下にリズムよく動いていますよね^^
このあごの動きこそ、『噛むときの基本となる動き』です^^
さらに、おっぱいを飲むとき、赤ちゃんの舌は常に上にあがっていますよね。

この舌の位置、すっごく大切なんです。
舌を上にあげておっぱいを飲むことで、食べ物をスムーズにゴックン!と喉に送り込めるようになるからです^^
\詳しい理由はこちら/

おっぱいをしっかり飲んだ赤ちゃんは、『噛む⇒飲み込む』という口の動きをマスターしています。
だから歯がなくても、お座りの姿勢が安定している生後7ヶ月以降なら、大抵のものは
- 舌
- 歯ぐき
をつかって食べることができるし、工夫して食べようと試行錯誤することができるんですよ^^
逆に、6ヶ月など早すぎる離乳食だと、
- むせる
- うまく食べられない
原因になってしまうので、姿勢が安定する7ヶ月頃から始めた方が安心です…。

歯がまだ生えそろってない時期から、いろいろな
- 食感
- 大きさ
- 硬さ
の食べ物を経験させてあげることは、赤ちゃんにとって大きな経験になります^^

でも、裏ごししたりペースト状の離乳食では
噛む練習ができませんよね…。
つまり、柔らかい離乳食のせいで、せっかくの赤ちゃんの成長のチャンスを、わたし達大人が奪っている…ということになるんです…。

『食べる』ことの本当の意味
『食べる』というと、しっかりすり潰して粉々にする…というイメージですよね。
もちろん、それを『食べる』というと、
- 入れ歯のおばあちゃん
- 歯のない赤ちゃん
には、無理なこと…。
でも人間も『動物』だと考えると、粉々にすることが本来の『食べる』…という意味ではなくなります。

動物にとっての『食べる』って、食べ物を飲み込める大きさにし、飲み込むこと…ですよね。
『食べる』とは本来、歯のある・なしではなく、食べ物を吸収できる形し、飲み込むことです^^
だから歯がない赤ちゃんやおばあちゃんも、歯ぐきをつかって食べることができるんですよ^^

わたしは「歯がなくても、赤ちゃんは離乳食を食べられる!」という事実を、1人でも多くのパパやママに知ってほしいな…と願っています。
「歯がなくても食べられる」という事実を知らないと、
「奥歯が生えたから、これを食べさせよう!」と、月齢や歯の本数で、赤ちゃんの食べる・食べられないを分けてしまうから…。
その結果「育児書や栄養指導の通りに離乳食をあげてるのに、赤ちゃんが食べてくれない…」と、ノイローゼになるママが増えてしまうんです…。


そんな患者さんを、わたしは何百人も見てきました…。
でもね。
赤ちゃんの成長が1人1人違うのは、当たり前のこと。
なのに「○ヶ月になったらこの食材を食べさせましょう!」と、全員を『同じ表』に当てはめてしまうのは、なんだかおかしいですよね。
実際に患者さんの赤ちゃんも、「同じ食材」なのに7ヶ月で食べられる子もいれば、
1歳を過ぎて食べる子もいました。

でも、これが普通なんです。
だから、育児書通りに赤ちゃんの離乳食が進まなくても、心配する必要はないんですよ^^
それに「歯」はあくまでも道具!
歯には筋肉はついていません。
歯を動かしているのは、周りの筋肉です^^
いくら立派な歯があっても、うまくつかいこなせる筋肉がないと、上手に食べることはできないんですよ。
例えば「切れ味抜群の包丁」があっても、料理が全くできない人では、上手に包丁をつかいこなすことができませんよね。

でも、料理になれている人なら、
「トントントン~♪」と軽快に包丁をつかいこなすことができます。
このように、力をコントロールできる筋肉があってこそ、うまく道具をつかいこなすことができるのです。
もちろんこれは、「食べること」も同じ^^
口の周りの筋肉や舌やほっぺたを上手に動かせるようになっていれば、
赤ちゃんは歯がなくても「歯ぐき」や「舌」で食べ物を潰すことができます。
その延長で歯が生えてくると、歯で噛んで食べるようになるんですよ^^
ちなみにわたしは、1回も「離乳食」を作らず娘を育ててきました。

7ヶ月後半では、このサイズの食事を娘に出していましたから…^^;

そのおかげか、今ではりんごを、そのまま丸かじりする子に育っています^^;
切って出すと怒られるんです…^^;
赤ちゃんが「食べること」の基礎を身につける時期は、3歳頃までと言われています。
だからこそ、この時期にしっかりと「噛める離乳食」を食べさせて、
- 口の周り
- 舌
の筋肉をどんどんつかえる環境をつくってあげてほしいんです。
なお、詳しい離乳食の進め方は下の記事でまとめているので、ぜひ参考になさってみてくださいね♪

簡単に、赤ちゃんの噛む力がつく方法を紹介していますから♪

歯がなくてもなんでも食べられる理由まとめ
施設のおばあちゃん達と同じく、赤ちゃんだって歯がなくても「歯ぐき」や「舌」をつかって食べることができます。
でも、ペースト状の食事や離乳食ばかりでは、決して口の機能は上がりませんよね。
「潰したご飯じゃ食べた気がしない~」と言っていたおばあちゃんのように、噛める食事を赤ちゃんに出すことで
- がしっかり噛める
- 上手に飲み込める
子になります^^
食べることは一生続きます。
どうか「今」だけを見ずに、長い目で「食べる」ということを考えてほしいのです。

赤ちゃんは適応能力に優れています。
ステップを踏んでいけば、大きいものでもすんなり食べてくれるんですよ^^
\『噛める離乳食』の進め方はこちら/

▼わたしが使っている赤ちゃんにも安心して食べさせられる野菜はこちら!▼

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