なんでこの子、ガムみたいにクチャクチャ音を立てて食べるの…?
すごく気になるけど、自然に直るの?
という悩みに、約200人もの赤ちゃんの食事指導に関わってきた歯科衛生士がお答えします^^
結論から言えば、赤ちゃんがクチャクチャ音を立てて食べる原因は、口が開いているから。
口を閉じて食べられないから、食べるたびにクチャクチャ音がしていたんです。
しかも赤ちゃんのうちから『口が閉じられない状態』を放っておくのは、
デメリットしかありません。
この記事では、赤ちゃんがクチャクチャ音を立てて食べる原因や対策方法について、歯科衛生士が解説していきます!
クチャクチャ食べる癖は、早いほうが直しやすいです。
対策法は今日からできることばかりなので
早速、実践してみましょう^^
赤ちゃんが離乳食をクチャクチャ音を立てて食べる原因
クチャクチャ音を出して離乳食を食べる原因は、『口を閉じて食べ物を噛んでいないから』です。
口を半開きにしたまま噛んでいるから、音が外に漏れていたんです…。
とはいえ、
『今は気になるけど、成長したら口を閉じて噛むようになるはず…』
と、内心では思ってしまいますよね?^^;
あまいです…。
なぜなら、『口を閉じて食べられない』ということは、
言い方を変えれば、『口を閉じておく筋力がない!』ということだから。
口を閉じるには、重力にさからって下唇を持ち上げる必要があります。
つまりクチャクチャ音を立てる赤ちゃんは、
下唇を持ち上げておく力がない…ということ。
だからいくら『口を閉じて食べようね』と声をかけても、すぐに口が開き、クチャクチャ食べてしまうんです…。
そのまま口が閉じられずに成長してしまえば、舌の使い方まで下手になって、
- 食べこぼしが多くなる
- 迎え舌になる
など、食事をする姿も「残念な食べ方」になる可能性があります。
でもなんでうちの子、口を閉じて食べられないの?
その答えは、
- 母乳やミルクの飲み方
- 離乳食の食べ方
の中にあったんです。
離乳食をくちゃくちゃ音を立てて食べる・口を閉じてくれない
赤ちゃんは本来、鼻の病気がない限り、みんな口を閉じて食べられるはず^^
でもあなたの赤ちゃんは
- 口を開けたまま離乳食を食べる
- 口を閉じさせようと抑えても、2秒後にすぐに開く
など、なかなか口を閉じてくれませんよね…^^;
口を閉じる子と閉じない子。
その根本的な違いの原因は、おっぱいやミルクの飲み方にあります。
口が開いてしまう赤ちゃん
口が開いてしまうあなたの赤ちゃん。
もしかして哺乳瓶でミルクを飲んでいませんか?
重力に逆らって口を閉じるには、『口の周りの筋肉』を鍛える必要があります。
でも、哺乳瓶の中には『口の周りを鍛えることができないもの』があるんです…。
反対に、おっぱいをしっかり飲んだ子は、自然に口を閉じて食べられる子になります^^
この違いは、口の動かし方!
この動画の55秒からの『舌やあごの動き』を見てください^^
舌を上あごにつけたまま飲んでるし、おっぱいを飲むたびに、あごが上下に動いていますよね^^
だから、しっかりおっぱいを飲んだ赤ちゃんは自然に
- あご
- 舌
- ほっぺた
など口の周りの筋力が鍛えられ、口を楽に閉じることができるんですよ^^
そしてもう1つ!
おっぱいを飲むには、舌先を上あごに付けたまま飲む必要があります。
この動きを覚えることで、食べ物をじょうずに喉に送り込むことができるんですよ^^
ためしに、唾液を飲み込んでみてください^^
上あごに舌先を付けたまま、ゴックン!と飲み込みましたよね!
そう。
今あなたが自然に舌を上あごに付けられるのは、赤ちゃんのときにたくさん練習したからなんです^^
一方で赤ちゃんの中には、「ちゅうちゅう吸って飲む哺乳瓶」で育った子がいます。
このタイプの哺乳瓶は、乳首にポツンと穴があいただけの造り。
そのためストロー飲みのように、
口先だけちゅうちゅうすれば、ミルクが飲めてしまう構造なんです。
口先しかつかってないので、舌や口の周りの筋肉を十分動かせず、口を閉じる力が弱くなっていたのです。
哺乳瓶の選び方って、実はすごく大切です。
だからこそ、哺乳瓶で育てる場合は、
母乳と同じような口の動かし方ができる『ビーンスターク』の哺乳瓶を選んでほしいんです。
この哺乳瓶は乳首に『弁』がついています。
だから、母乳のように搾り出さないと飲めない構造になっているんですよ^_^
\哺乳瓶の選び方はこちらが参考になります/
とはいえ、離乳食が始まっているのに、
今さら哺乳瓶の種類を変えることは、現実的ではありませんよね…^^;
そんなときは、離乳食をよく噛むことで、口の周りの筋力を鍛えていきましょう!
離乳食のくちゃくちゃ音・口を閉じてくれない時の4つの直し方
赤ちゃんから口や舌をよく動かす習慣があると、
口をしっかり閉じられる子になり、クチャクチャ音を出すこともなくなります^^
そのためにも、
②食事中の水分はやめる
③一口の量を調整する
④鼻の病気を治す
の4つを意識してみましょう!
離乳食をよく噛めるものにする
離乳食を『噛めるもの』にすると、自然に
- あご
- 舌
- ほっぺた
など口の周りの筋肉を鍛えることができ、口が閉じやすくなります^^
でも離乳食というと、どうしても
- 柔らかく
- 食べやすく
つくってしまいますよね…^^;
しかしこのような離乳食では、口を十分動かすことができないので、
いつまでたっても口を閉じて食べることが難しく、クチャクチャ音が直らないんです…。
そのまま成長していしまえば、外で食事をするとき、
子どもが恥ずかしい思いをしてしまいますよね…。
しかも、もともと口を閉じる筋力が弱いので、いくら『口を閉じて食べなさい』と言っても、
解決策にはなりません。
気づけばポカーンと、口が開いた子になってしまいます…。
そんな『だらしない顔』にならないよう、ぜひ今のうちから『噛める離乳食』をつくって、
口を閉じる筋力をつけましょう。
とはいえ、
そんなこと言われても、まだ奥歯も生えてないし、
噛めないんじゃない?
と思ったかもしれません…。
でも、生後7ヶ月以降で
・お座りの姿勢が安定している
・手が自由に動く
赤ちゃんなら、歯がなくても『舌』や『歯ぐき』をつかって、たいていのものは食べることができます^^
赤ちゃんは柔らかいものしか食べられない!って、実は大人の思い込みだったんです。
\詳しくは、こちら/
赤ちゃんの発達のステップを知れば、
赤ちゃんがたいていのものを食べられる!と分かりますから^^
食事中の水分はやめる
食事中にお茶や水を飲ませていると、噛まずに流し込んでしまいます。
これではいくら『食べにくい離乳食』をつくっても、
意味がありませんよね…^^;
でも、水分がないと飲み込みにくいんじゃ…
という疑問もあるかもしれませんが、ご飯や野菜の中には『水分』が入っていますよね。
さらによく噛んでいると、『唾液』が口の中に出てきます^^
だから水物は食後にして、よく噛ませるためにも、食事中はテーブルの上に置かないようにしましょう。
量を詰め込みすぎない
口の中に詰め込む量が多い場合も、口が閉じられずクチャクチャ食べる原因になります。
スプーンであげる場合は、量を詰め込みすぎないよう注意しましょう。
また一口で入らないサイズのものを、手にもたせるのも効果的です^^
たとえば
- キュウリのステック
- 1センチ幅に切ったリンゴ
などは、一度に口の中に入りませんよね^^
すると自然に赤ちゃんは、歯ぐきや前歯で噛みちぎるようになり、
自分で「飲み込める形」に調整するようになります。
その結果、適切な量が自分で分かるし、噛む回数も自然に増やすことができるんですよ^^
赤ちゃんが口に詰め込みすぎないよう、あえて食べ物を大きく切って、
どんどん口の周りの筋肉をつかわせましょう^^
\赤ちゃんがよく食べる野菜や果物の選び方は、こちらが参考になります^^/
なお丸呑みを予防する方法は、こちらが参考になりますのでぜひ^^
鼻づまりは早く治す
鼻炎や風邪などで鼻が詰まっていると「口呼吸」になり、口を開けたまま食事をする原因になります。
鼻水が出るときは早めに治療してもらい、口呼吸を予防しましょう!
口呼吸が癖になると、舌がダランと下がってしまい舌の筋肉が緩んでしまいます。
その結果、
- 舌足らずなしゃべり方になる
- 口の中で自由に食べ物を転がすことができない
- 錠剤の薬などちょっとしたものが飲み込めない
など、成長してからもどんどん口の使い方が下手になってしまいますから…。
離乳食をくちゃくちゃ食べる赤ちゃんまとめ
食事中にくちゃくちゃ音がする原因は、口を閉じていないからです。
対策方法は、
②食事中の水分はやめる
③一口の量を調整する
④鼻の病気を治す
の4つを意識してみましょう!
『口の運動』は、母乳やミルクが終わると『食べること』でしかできません。
だからこそ、毎日の離乳食を噛めるものにすることで、
自然に口の周りを鍛えて、口が閉じられる子にしていきましょう!
口をスムーズに閉じられるようになれば、
くちゃくちゃ音もなくなってきます^^
くちゃくちゃ音を立てる食べ方は、決してキレイな食べ方ではありませんよね。
だからまずは口を自然に閉じられるよう、口の周りの筋力をつけられるよう工夫してみてください。
将来子どもが恥をかかないように、クチャクチャ音は今のうちに予防してあげましょう^^
クチャクチャ音を予防する離乳食の作り方は、こちらが参考になりますのでぜひ^^
\赤ちゃんがよく食べる野菜や果物の選び方は、こちらが参考になります^^/
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