どうすればいいの?
という疑問に、歯科衛生士歴13年の経験からお答えします。
子どもって、歯や顔をぶつけることも日常茶飯事ですよね^^;
もし、
- 転んで顔を打った
- ボールが顔に当たった
- 鉄棒で顔を打った
などの事故があれば、一緒に歯もぶつけている可能性が高いです!
歯を残せるかどうかは、冷静な対応にかかっています!
ここでは、乳歯や永久歯をぶつけたときの対処方法について、ベテラン歯科衛生士が解説していきます。
対処方法を知っておくと、落ち着いて対処できるのでぜひ参考になさってください!
転んで前歯を打った・ぐらぐらして抜けた時の対処方法
歯をぶつけてしまい
・痛みが続く
・歯ぐきが腫れている
・歯が欠けた
・歯が抜けた
・歯の位置がかわった
・噛み合わせが変わった
などの症状があれば、口の中を確認し出血があったら吐き出させ、
歯が抜けているときは一刻も早く歯医者に行きましょう。
そのとき、血が混じった唾液は飲み込ませないようにして下さい!
血を飲むと後から吐く原因になるので、口の中の出血はできるだけ吐き出させ、
気道を塞ぐものが口の中にあれば、必ず取り出しておきましょう。
ぶつけた歯が抜けた場合の対処法
ぶつけた歯が抜けてしまっても、処置が早く状態が良ければ「歯を残せる」可能性があります^^
でも歯を戻せるかどうかは、歯の組織が生きている間に処置する必要があるため、
まさに時間との勝負!
そのため歯が抜けてしまったら、歯の状態を保つために
①歯の根っこを清潔にして乾燥させない
②歯に汚れが付いていたら水で洗う
(歯の根っこの細胞を守るため、根っこは触らない)
③擦ったり、拭き取ったりしない
④学校や幼稚園に「歯の保存液」があれば使う
⑤保存液がないときは生理食塩水や牛乳に浸す
⑥または舌の下に抜けた歯を入れて乾燥を防ぐ
⑦濡らしたガーゼやラップに包む
の7つの方法で対処をして歯医者にむかって下さい。
もし口の中で歯が抜けていたら、可能なら元の場所に戻して、落ちないように押さえて歯医者にいきましょう。
中でも大切なことは
②とにかく乾燥させない
の2つ。
歯の根っこの周りは、抜けた歯を再び骨とつなぐ「歯根膜」という組織があります。
状態が良いと歯を残せる可能性が高くなるので、
組織を傷つけないよう『歯の頭部分』を持ち、根っこ部分は触らないようにしましょう!
前歯をぶつけた!歯が欠けたり折れている時の治療方法
歯は、強い力がかかると
- 神経が傷つく
- 根っこが曲がる
- 周りの組織にヒビが入ってしまう
- 折れてしまう
など、歯の表面は大丈夫そうに見えても、根っこや神経にトラブルが起っている場合も多いです。
折れていなくても、ぶつけた衝撃で歯の組織を傷つけてしまい、1カ所だけではなく、同時にいろんな組織も傷ついてることもあります。
そのため、見た目に異常がなくても必ずレントゲンで確認し、
神経が生きているか、歯の動揺があるかを調べてもらいましょう!
結果に応じて
- 抜けた歯を元に戻す
- 神経の治療をする
- 動揺していたら固定する
- ヒビなどの修復
などの処置をしていきますから^^
もしヒビが入っている場合は、細菌感染のリスクが大きくなってしまいます。
ぶつけたときは、早めに歯医者で診てもらいましょうね。
歯が少し欠けた場合
欠け方が小さく神経にも影響がなければ、
「欠けた部分だけ」を歯科用のプラスチックでつめて治療していきます。
歯が大きく欠けた場合
歯の先が折れたり欠けていたら、そのまま歯をくっつけても維持力が弱いので、
削ったり被せものをして治療する場合もあります。
もし大きく歯が欠けて神経が出ていれば、神経の治療が必要に!
神経を取るのか残せるかは「歯の状態」によるので、一刻も早く歯医者を受診しましょう。
「欠けた歯」は使えることがあるので、必ず歯医者に持って行って下さいね。
脱臼状態の歯の場合
歯の打ち方によっては、
- 歯の位置がズレる
- 歯が抜けかかる
ような「脱臼状態」になることがあります。
そのまま歯を噛んでしまえば、歯の根っこが折れる可能性もありますから、
矯正治療やワイヤーで歯を固定するなどの処置が必要になります。
乳歯をぶつけた場合は永久歯にも影響がでる
乳歯をぶつけた場合は、後から生えてくる永久歯にも
・歯の根っこの形が曲がっている
・歯がちゃんと作られない
・生えてくる位置が変わってしまう
など影響が出ることがあります。
脱臼しているときは必要に応じてワイヤーなどで隣の歯と固定し、永久歯が生えてくるまで
- レントゲン
- 肉眼
で定期的に経過をみます。
欠けているときは、神経の処置が必要になる可能性があるので
早めに歯医者にいきましょう!
歯は、
- 周りの歯
- 唇
- ほっぺたの力
などのバランスのもと、「今の位置」に生えています。
そのため歯が大きく欠けたり抜けたまま放置してしまうと、
「歯並び」や「かみ合わせ」に影響がでる可能性があるので、自己判断せず早めに歯医者にいきましょう。
事故後、ぶつけた歯が数ヶ月して黒くなる原因
歯を打った直後は問題なくても、数ヶ月したら歯が黒くなることがあります。
変色する理由は、歯を打ったときに神経が傷ついて次第に死んでしまうから…。
神経は、歯の根っこの先の小さな穴(上の図↑の赤丸部分)で他の組織とつながっています。
そのため根っこの先の穴が傷ついてしまえば、神経が死んでしまう可能性が高くなるんです。
万が一、神経が死んで歯が黒く変色してしまったら、
歯の根っこの治療が必要になります。
また、歯を打ったときに表面上は問題なさそうに見えても、
実は目に見えないくらい『小さなヒビ』が入っていることも!
気付かずそのままにしておけば、だんだんヒビが広がって歯の神経に影響が出る可能性も…。
「おかしいな?」と思ったらすぐ歯医者へ行きましょう!
ぶつけた歯の歯磨き方法
怪我をした部分は、数日は「歯磨き」をしても痛いため
歯磨きが難しくなります。
痛みがあるときは、
・小さな歯ブラシなどで優しく汚れを落とす
・うがいをする
ように汚れをとっていきましょう。
特に事故部分は、歯ブラシよりワンタフトブラシ↓のように小さなブラシの方が、
ピンポイントで歯の周りの汚れが取れやすくなるのでおすすめです。
さらにしばらくは、歯にくっつきやすい「砂糖」を多く含むものは控えておく方が良いですね。
歯磨きしにくい上に、汚れがつきやすくなるので…(汗)
なお歯磨き粉を使う場合は、こちら↓で紹介しているような、
『刺激の少ないもの』をつかいましょう^^
永久歯・乳歯をぶつけたときの対処方法まとめ
歯をぶつけたときは口の中を確認して、出血があったら吐き出させ、
見た目に異常がなくても、すぐ歯医者へ向かうことをオススメします。
事故後に「変色」など異常が見られることもあるので、自己判断せず診てもらいましょうね^^
▼子どもに優しいおすすめ歯磨き粉は、こちらが分かりやすいです▼
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