これって普通?
直らないの?
という疑問に、歯科衛生士歴13年の経験からお答えします^^
結論から言えば本来、赤ちゃんはみんな、口が閉じられるはず。
なのに、口が開きっぱなしになっているのは、口の周りの筋肉が弱い可能性があります…。
しかも口が開いていると、
歯並びが悪くなる可能性もあるんです…。
ここでは、
- 赤ちゃんの口がポカンと開いてしまう原因
- 口を閉じる子になる方法
について紹介します。
『ポカン口』は早いほうが直しやすいので、ぜひ参考になさってください^^
赤ちゃんの口がいつも開いている・ポカン口の3つの原因・解決法
口を閉じるためには「下唇を上に持ち上げ」唇を閉じる必要があります。
つまりポカン口の赤ちゃんは、下唇を持ち上げる『体力』がないということ…。
ポカン口になる理由は
②「柔らかい離乳食」ばかり食べている
③風邪や鼻の病気を繰り返してる
と3つの原因が考えられます。
吸うタイプの哺乳瓶をつかっていた
おっぱいをしっかり飲んだ赤ちゃんは、自然と口の周りの体力がつき、口を閉じる子になります^^
その理由は、『おっぱいの飲み方』にあります。
実は赤ちゃんって、おっぱいを『吸って』飲んでいるわけじゃ
ないんです。
赤ちゃんがおっぱいを飲むには、
①おっぱいにかぶりつく
②舌で乳首を上あごに押し付ける
③舌や唇やほっぺたをつかって、おっぱいを搾り出すように飲む
という3つのステップで飲んでいます。
この動画の55秒からの『舌・あごの動き』を見てください^^
赤ちゃんは『舌先』を上あごにつけ、搾り出すように母乳を飲んでいますよね。
赤ちゃんはおっぱいを飲むだけで、
- 自然に口の周りを鍛える
- 舌を上あごにつける
ことができます。
その結果、口が自然に閉じられるようになり、舌も上あごに付けることができるんですよ^^
一方、哺乳瓶で育った赤ちゃんの中には、十分口を動かさずミルクを飲んでいた子がいます。
その代表が、「吸って飲む哺乳瓶」を使っている子。
『吸って飲む哺乳瓶』は、乳首にポツンと穴が開いているだけ。
口先でちゅうちゅう吸えば、ミルクが流し込めるようになっています。
その結果、
- 舌
- あご
- ほっぺた
など、口の周りの筋肉をしっかり使わずに育ってしまうんです…。
ミルクで育てるなら、哺乳瓶選びはものすごく大切!
おすすめの哺乳瓶は、おっぱいを飲むときと同じような口の動かし方ができるビーンスタークの哺乳瓶。
この哺乳瓶↑には、
乳首に「弁」がついています。
搾り出すようにミルクが飲めるので、自然に口の周りの筋肉が鍛えられるんですよ^^
\哺乳瓶の選び方はこちら/
とはいえ4ヶ月以降だと、今さら哺乳瓶の種類を変えてしまうのは、現実的ではありません…^^;
そんなときはいっとき『おしゃぶり』をつかってみるのも1つの手。
一方、離乳食が始まっている場合は、『よく噛む』ことで
口の周りを鍛えることができます!
「柔らかい離乳食」ばかりを食べている
哺乳の次は、『噛むこと』で口を鍛えることができます。
でも離乳食って、
- やわらかいもの
- 小さく切ったもの
など、『食べやすいメニュー』が多いですよね^^;
柔らかいと、噛むことができません…。
ほとんど噛まずに飲み込めてしまうため、
口の運動ができず、『口を閉じる筋力』が弱くなってしまうのです。
でも、まだ歯も生えそろってないし、
柔らかくしないと食べられないんじゃ…。
と思いますよね。
でもね。
下の記事↓でも紹介しているように、生後7ヶ月以降の赤ちゃんで、お座りの姿勢が安定した子なら、
歯がなくても『歯ぐき』や『舌』をつかって、食べることができるんです^^
赤ちゃんは、口にモノが入るとまず飲み込もうとします。
でも『これは飲み込めないぞ!』と分かったとき、初めて噛むようになるんですよ^^
柔らかい離乳食では、『口を鍛えるチャンス』を失ってしまいます。
だからこそ『口を閉じられる子』にするためにも、生後7ヶ月以降で、お座りの姿勢がしっかりしている子なら、
どんどん噛める食事を経験させ、口を鍛えるチャンスをつくってほしいんです^^
おすすめの方法は、大人の食事の中で
食べられそうなものを赤ちゃんにも取り分けること!
たとえば、
・切り干し大根の煮物
・きんぴらゴボウ
・お味噌汁に入ったキノコ
などは決して硬くない食材ですが、自然に噛む回数が増えるメニュー。
このように大人の食事を薄味の『和食』にしてそれを分け与えれば、
簡単に赤ちゃんの噛む回数を増やすことができるんですよ^^
しかも和食は、赤ちゃんにとっても消化・吸収しやすいメニュー^^
塩分の問題も気になると思いますが、
・味の濃い新鮮な野菜
をつかえば、薄味で美味しくつくれるんですよ^^
歯がなくても噛める離乳食は、こちら↓が参考になります。
\安心して食べさせられる野菜の選び方はこちら!/
風邪や鼻の病気を繰り返している
いつも鼻がつまっていると、口呼吸が癖になってポカン口が習慣になってしまいます。
そのまま口呼吸を続けていると、鼻に空気が流れず分泌物が乾燥し、
ますます鼻が通らない悪循環に…。
鼻がつまったときは、早めに病院へ行き、
鼻の通りを良くしてあげましょう^^
赤ちゃんの口がいつも開いていると起きる5つのトラブル!
ポカン口が、赤ちゃんから癖になると、
②口呼吸が癖になる
③歯並びが悪くなる
④食べ方が汚くなる
⑤虫歯や口臭が強くなる
の5つのデメリットが起こってしまいます。
だらしない顔つきになる
口を閉じるには、重力に逆らって下唇を持ち上げておく必要があります。
でも下唇を持ち上げた状態をキープするって、
『筋力』がないとできません。
ポカン口の赤ちゃんは、「唇を持ち上げておくだけの力がない!」ということ…。
その結果、いつも口が開いた状態になって、
・ベロが出ている
・だらしない顔つき
になってしまうんですよ。
口呼吸が癖になる
人間は鼻がつまってない限り、口を閉じて「鼻呼吸」をするのが正常な状態です。
実は赤ちゃんって、生まれたときは全員『鼻呼吸』しています^^
だから、息継ぎなしでおっぱいやミルクを
一気に飲むことができるんですよ^^
でもそんな赤ちゃんも、
- 鼻づまりが長引いた
- よく噛まず、口の筋力が弱くなった
などの理由から、「口呼吸」が癖になってしまいます…。
鼻呼吸も口呼吸も「息を吸って吐くこと」と考えれば、同じ呼吸。
でも『口呼吸』が癖になると、口からダイレクトにウイルスやホコリが体の中に入ってしまいます。
その結果、病気や風邪をひきやすくなってしまうんです…。
一方『鼻呼吸』は、ウイルスやホコリを『繊毛』がキャッチし、鼻水として外へだしてくれます^^
まさに、口呼吸は百害あって一利なし!
早めに治してあげましょう!
\口呼吸の直し方はこちら/
歯並びが悪くなる
ポカン口が癖になると、歯並びも悪くなります。
実はあなたの歯って、理由もなく
「今の位置」に生えているわけじゃないんです。
歯は『歯並び』の良い・悪いは別にして
- 内側から押す舌の力
- 外側から押すほっぺたや唇の力
の2つ力で、下の図↓のようにお互いの力のバランスを保ちながら
「今の位置」に生えています^^
でも、いつも口が開いていると、どうなるでしょうか?
唇からかかる「外の力」が減り、舌で歯を前に押す「内側の力」が大きくなって、
力のバランスが崩れてしまいますよね。
しかも「舌」は、筋肉の塊。
舌で押す力はとても強いため、歯はそのまま前にたおれ、
『出っ歯』の原因になるなど、歯並びにも悪影響が出てしまうんです…。
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食べ方が汚くなる
口が開いた状態が癖になると、食べ方も汚くなってしまいます。
とつぜんですが、あなたの「舌の先」
今、どの位置についていますか?
正しい「舌の先」の位置は、上の写真↑のように「上の前歯の裏あたり」。
この位置に舌がついていることで、食べ物を上手に飲み込むことができるんですよ^^
ためしに「唾液」を飲み込んでみましょう!
舌を上あごにつけたまま、ゴックン!と飲み込みますよね?
『舌』が上あごに常に付いていることで、
綺麗に食べることができるんです^^
反対に口が開いたまま成長してしまうと、舌がいつもダラーンと下がった状態に。
舌が下がっていれば、食べ物を飲み込むとき、
舌で前歯を押して飲み込む癖がついてしまいます。
その結果、食べ物を飲み込むときに舌が前に出るようになって、
食べこぼしの多い子になってしまうんですよ。
\詳しい理由はこちら/
虫歯や口臭が強くなる
口がいつも開いていると、口の中が乾燥します。
その結果、口の中を綺麗にしてくれる唾液が減って細菌が繁殖し、
虫歯や口臭が強くなってしまうんです…。
ついでに前歯も乾燥するので、
着色がつきやすくなってしまうんです…(汗)
赤ちゃんがいつも口が開いている時の対処法まとめ
気がつくと口が開いてしまう原因は、
・風邪や鼻の病気で鼻呼吸が難しい
と大きく2つの理由が考えられます。
口が開いている癖は、早いほうが直しやすいです!
普段から口が開いていると、しまりがなくだらしない顔になったり、
虫歯や歯並びも悪くなってしまいます。
そんな悲しい未来にしないためにも、あなたが今日からできることは、
・卒乳がまだなら、おっぱいをよく飲ませる
・生後7ヶ月以上で、お座りの姿勢が安定しているなら、大人の食事を取り分けて、どんどん噛むチャンスをつくってあげる
・鼻の病気は早めに治す
(場合によっては『おしゃぶり』をつかってみる)
ことで、口を閉じる習慣を身につけさせましょう^^
顔つきや歯並びを悪くしないためにも、
ポカン口は、早めに直してあげましょう!
ポカン口を予防する離乳食の作り方は、こちらが参考になります!
\安心して手に持たせて食べさせられる野菜の選び方はこちら!/
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