歯ブラシって「ふつう」の硬さを選んでいるのに、種類によって硬く感じたり柔らかく感じるのよね…。
わたしに合った歯ブラシってどうやって選べばいいんだろ…。
という疑問に、歯科衛生士歴13年の経験からお答えします。
同じ硬さを選んだはずなのに、メーカーによって「歯ブラシの硬さ」に違いを感じたことはありませんか?
硬さに違いを感じる理由は、歯ブラシには「硬さを表す規格」が存在しているからです。
そこでこの記事では、あなたに合った歯ブラシの硬さの選び方について紹介していきます。
歯ブラシは「自分にあったもの」でないと効果を発揮できないし、逆効果になることもありますので、ぜひ参考になさってくださいね。
「かため・ふつう・やわらかめ」歯ブラシの表記の意味
歯ブラシの「かため」「ふつう」「やわらかめ」と3種類の表記。
これはJIS規格の『座屈強度の測定』というもので分けられたものです。

屈曲強度?
『座屈強度の測定』とは、条件を統一させるために、歯ブラシの毛の長さを7㎜で切って、均等に力を加えていくものです。
条件を同じにして力をかけることで、どのくらいで歯ブラシの毛先がしなるかを見ていきます。
たとえば毛の高さが約10㎜の歯ブラシでも、毛先の3㎜(赤い線部分↓)はすべてカットして7㎜にしてから試験されます。
でも硬さの種類は「かため」「ふつう」「やわらかめ」と3種類しかありません。
しかも規定数値の幅も広いため、同じ硬さの表記でも、硬さに幅が出てしまうのです。
これが「同じ表記」にも関わらず、メーカーによって歯ブラシの硬さに違いを感じる理由だったんです。
以上の理由から「ふつう」と表示されてる歯ブラシでも、つかう人によっては「かため」に感じることもあったり、「やわらかめ」に感じるなど幅が出てしまうんですよ。
歯ブラシは『かため』『ふつう』『やわらかめ』どれを選べばいいの?
薬局やスーパーにいくと、さまざまな種類の歯ブラシが売られていますよね。
でも種類が多すぎて、「どの歯ブラシを選べばいいの?」と迷ってしまいませんか?

歯ブラシは自分にあった「硬さ」を選ばないと、歯や歯ぐきを痛めてしまう原因になってしまいます。
そこで
①「かため」の歯ブラシが合う人
②「ふつう」の歯ブラシが合う人
③「やわらかめ」の歯ブラシが合う人
に分けて紹介していきますね。
「かため」の歯ブラシが合う人
「かため」の歯ブラシは、歯や歯ぐきが強い人向けです。
「かため」の歯ブラシは、汚れを取る効果が高いため、着色汚れがついている部分につかってもらうこともあります。
ただし、「かため」の歯ブラシは
- 歯の間に毛先が届きにくい
- 歯ぐきを傷つける可能性がある
ので、つかう理由がない限りは、あまりおすすめしない歯ブラシです。
▼なお歯を白くする方法はこちらにまとめていますので、合わせて参考になさってくださいね♪▼

「ふつう」の歯ブラシが合う人
歯や歯ぐきに炎症がないなら、歯ブラシのかたさは「ふつう」を選びましょう。
ただしメーカーによって「ふつう」の硬さでも感じ方が違うので、いろんな硬さを試して、あなた好みの硬さを見つけましょう。
「やわらかめ」の歯ブラシが合う人
歯ぐきに炎症があったり、知覚過敏があるときには「やわらかめ」をつかいましょう。
炎症や知覚過敏があるときは、毛先が当たっただけで痛みが出てしまいますよね…。
そんなとき「やわらかめ」の歯ブラシで優しく磨いてあげると、痛みを感じず、汚れを取ることができるんですよ。
しかもやわらかい歯ブラシは、毛先も細いので、歯と歯ぐきの間にも毛先が届きやすくなります。
なので、歯周病の人にもおすすめですよ。
▼なお歯周病のケア方法は、こちらが分かりやすいです▼

歯ブラシの力加減と交換時期
「かため」「ふつう」「やわらかめ」のどの歯ブラシでも、毛先がすぐに開いてしまう場合は「磨く力」が強い可能性があるので注意が必要です。
歯ブラシの交換時期の目安は約1ヶ月です。
そのため1〜2週間で毛先が開いてしまう場合は、歯磨きの力が強くないか確認しておきましょう。

でも…歯磨きの力加減って、どのくらいが「ちょうどいい力」なの?
歯磨きの適切な力加減は150g~200gくらいが良い!とされています。

と言われても、分かりにくい…ですよね。
実験してみましょう。
白い矢印に注目!毛先が倒れてないですよね。
でも約400gになると、毛先が倒れてます。
つまり…力が強すぎるということ。
実際やってみると分かるのですが、150gってこんなに軽い力なんだ!と思うほど軽い力です。

でもこんな弱い力で、歯の汚れは取れるの?
安心して下さい♪
軽い力でも歯に毛先がきちんと当たっていれば、汚れは落ちてくれます。
歯磨きのコツは「力」じゃないんです!
毛先の当て方なんです!
歯ブラシの持ち方は鉛筆を持つように持つ
さらに歯ブラシの持ち方を「鉛筆持ち」にすると、余計な力が入りにくく歯ブラシも細かく動かせるのでオススメです♪

反対に「グー」で持つと、力が入りすぎるので注意しましょう。
力をコントロールするためにも、歯ブラシはぜひ「鉛筆持ち」で持つようにしましょう!
磨く力が強いときの歯ブラシの選び方
歯ブラシは適切な力で磨いてあげないと、
- 歯や歯ぐきを傷つける
- 歯にしっかり毛先が当たらず磨き残しが増える
など本来の力を発揮できません。
もしあなたが普通の歯ブラシで磨きにくいときや、どの硬さを選んでいいか分からないときは「電動歯ブラシ」をつかってみるのもいい方法です。
電動歯ブラシなら、歯に毛先を当てておくだけでいいので、歯ブラシをゴシゴシ動かしたり、磨くときの強さも気にしなくて良くなりますから。
なお電動歯ブラシの詳しいつかいかたは、下の記事を参考にしてみましょう。

子供用の歯ブラシはつかわない

わたし、奥まで毛先が届くように「子供用の歯ブラシ」をつかっているんだけど…。
「子供用の歯ブラシ」を大人の方がつかうのはおすすめできません。
なぜなら歯ブラシは毛の長さが短くなるほど、毛先がかたくなってしまうからです。

同じ人でも、ロングのときと坊主のときで髪の毛の感触が違いますよね。
それと同じです。
子供用の歯ブラシを大人がつかうと、「かため」の歯ブラシを使っているのと同じことになってしまいます。
とうぜん力を入れて磨いていると、歯ぐきが下がってしまう原因になってしまいますよね。
そのため、大人の方に「子供用の歯ブラシ」はおすすめできないんです。
詳細は下の記事で紹介しているので、合わせて参考になさってくださいね。

なお奥まで磨くなら「ワンタフト」という小さい歯ブラシをつかった方が、歯磨きの効率がよくなりますよ。
▼詳しいつかい方は、こちらにまとめています▼

歯ブラシの硬さまとめ
歯ブラシは今、500種類以上のあると言われています。

その中から自分に合うものを選ぶのは大変ですよね…。
歯ブラシは規格によって硬さの種類分けられています。
そのためまずは、歯ブラシの『かため』『ふつう』『やわらかめ』から、自分の口の状態にあったものを選んでみましょう。
歯や歯ぐきに炎症がないなら「ふつう」の硬さを選んでみて、炎症があるときは「やわらかめ」の歯ブラシを選んでみましょう。
もし毛先がすぐに開くときは、計りで適切な力を体感したり、電動歯ブラシをつかって優しく磨いてみてくださいね。
あなたにピッタリの歯磨き粉の選び方まとめ
自分に合う歯ブラシが見つかったら、歯磨き粉も自分にあったものを選びましょう\(^o^)/
歯磨き粉の効果を最大限に引き出す使い方と、口の中のトラブル別の歯磨き粉選びの方法を紹介します。
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